示唆に富んだドラマ「王様のレストラン」について
経営に必要な 3 つの要素について
今から、30 年ほど前フジテレビで、放映されていた「王様のレストラン」というドラマをごぞんじでしょうか。
三谷幸喜脚本、料理評論家服部幸應監修によるこの作品は、毎回飲食店にとって、大切な「仕事に対する姿勢」や「誇り」について考えさせられる名言が登場する、ユーモアたっぷりのドラマでした。
今回は、ドラマの最後に印象的な一言をご紹介します。それは、「良いレストランの条件」に関するものです。
良いレストラン条件とは、「良いオーナー、良いギャルソンがおり、スペシャリティ(名物料理)があること」この3つがそろっていることが繁盛店の条件だと語られています。
1.良いオーナー(経営哲学)
良いオーナーとは、そのレストランの「魂」や「理念」を司る存在です。
ドラマの中でオーナーの原田禄郎は、「レストランは人を幸せにする場所だ」という経営哲学を述べています。
どんなに技術があっても、オーナーに哲学がなければ店はただの「作業場」になってしまいます。
オーナーがスタッフを信じ、理想を掲げ続けることで、スタッフは安心してプロの仕事に没頭でき、店に「品格」が生まれるからです。
翻って、商店街の小売店や美容サロンなどにも、この「魂」や「信念」つまり、「経営哲学」が必要です。
大手企業のホームページには社長挨拶や社訓などの経営哲学が掲載されているように、理念のない経営では、従業員と経営者が一丸となって事業を盛り立てることができません。
2.優れたギャルソン(顧客ニーズの把握)
優れたギャルソン(ここでは主人公千石武)の役割とは、厨房で作られた「料理」と、お客様という「人間」を繋ぐ「演出家」であることです。
料理がどんなに美味しくても、サービスが冷たければ台無しになります。
優れたサービスとは、「お客様が何を求めているか、言われる前に察知すること」。これがあれば、たとえトラブルが起きてもそれを「思い出」に変えることができます。
お客様を「王様」にできるかどうかは、すべてギャルソンの腕にかかっているからです。
これを小売店や美容サロンに置き換えると、「お客様のニーズやウオンツを的確に汲取り経営に反映させること」だと言えます。
クレームの裏にはニーズが隠れています。これを的確に見抜き、お客様のニーズに適合させ、お客様満足を最大化するという本質は、飲食店も小売店も同じです。
3.スペシャリティがあること(差別化・独自性)
スペシャリティ(ドラマでは磯野しずかが作る「鴨のコンフィ」)とは、その店が社会に存在する「証明」です。
同業他社と差別化し、「その料理があるからこそ、その店へ通う」という期待に応える一皿があって初めて、レストランは客にとって「代えがたい場所」になります。
「うちは酒屋だから、酒問屋が提案してくれる商品を一般のお客様や飲食店に売ればよいのだ」と考えているご主人も入らっしゃるかもしれません。
しかし、これは、小売店やサービス業でも「スペシャリティ(独自の強み)」がなければ、消費者はそのお店を単なる「○○業」として、認識されるだけで、いずれ、お店から離れていってしまうでしょう。
逆に、どんなに小さくても、スペシャリティ(看板商品や独自の強み)のあるお店は、「センスの良い店」「品揃えの良い店」としてお客様から選ばれ続けるのです。
結論
飲食店(小売店)が繁盛するためには、以下の 3 つが必要で。
1 良いオーナー(確固たる経営哲学)、
2 優れたギャルソンがいる(ニーズ汲取り、期待に応える能力)
3 スペシャリティ(優れた技術や希少な商品による差別化)
30 年前の「王様のレストラン」はこうした経営のヒントに富んだ名作でした。
これらは、バブル崩壊、リーマンショック、コロナ禍を経て私たちが失いかけた自信を取り戻すヒントになるはずです。私たちと一緒に商店街や飲食店の活性化を考えましょう。
蛇足
スペシャリティの考え方、設定方法、実際に開発した経緯はこのブログ第 2 回から第 5 回をご覧ください。
「王様のレストラン」は、30 年前のドラマでしたが、FOD でフジテレビの公式配信サービスである FOD(フジテレビ・オン・デマンド有料会員)で視聴できます。ユーモアたっぷりで楽しめる作品です。一度、ご覧になられてはいかがでしょうか。
